2012年6月22日金曜日

モーツァルト:交響曲全集 by ヤープ・テル・リンデン

ヤープ・テル・リンデン指揮、アムステルダム・モーツァルト・アカデミー演奏のモーツァルト交響曲全集。 2001と2002年デジタル録音され、前期がロッテルダム、後期がユトレヒトで収録された。とくに ユトレヒトの「マリア・ミノール」という古い教会の残響が美しく、ハイレベルな音質が楽しめる。

モーツァルトという作曲家を演奏するさいには、どうしても「モーツァルト」らしいか否か、というのが最大のポイントになると思う。

大学生の頃、大学の先生のモーツァルト演奏(ピアノ)を聞いて、まったくモーツァルトらしくないまじめな演奏でびっくりしたことがあった。曲のせいかと思ったが、適当にCDを聞いてみると、そうではない。

楽しくないモーツァルトと楽しいモーツァルト。どちらが好きか。たとえばベームの演奏は前者の代表としてよく挙げられる。


あら、こうして聞いてみるといかにも現代的な忠実な感じの演奏で悪くない。でも、2ちゃんねるなどでは意見は真っ二つに分かれていて、反ベームか親ベームかという論争が延々と繰り広げられている(と思う)

さて、本題のこのリンデンの録音だが、これは意外なことに、反ベーム派、親ベーム派どちらにも受け入れらるという快挙をなしとげている。古楽器による忠実な演奏で、派手さも際だったウリもないが、決して外れではない。・・・と書くとかんだかつまんない演奏のように聞こえるが、決してそうではない。たとえば次の録音を聞いてみてほしい。


かなりレベルが高いと思う。ピノックによる演奏の方が楽しい、という意見もあるが、これはこれでベーシックなモーツァルト演奏の代表格だと思う。

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